双子の異世界・奇跡の花束
クルーガが入ったと同時に後ろから声が聞こえた。


「ミネルア」


「え?あ、ヴォルス!何処行ってたの」


ヴォルスがいつもの無表情で後ろに立っていた。


「ちょっと来てくれ」


「え?でも・・」


「いいから」


と、腕を掴まれたので、クルーガを窓から呼んだ。


「クルーガ!ヴォルスが帰ってきたよ!」


ミネルアの声はまっすぐクルーガに届いた。

すると窓からヴォルスがジェスチャーでクルーガに何かを伝えた様だった。


「行くぞ」


「え?」


「お前と二人になりたいって伝えた」


「ふ、二人・・?」



ヴォルスはそのままミネルアの腕を掴んで歩き出す。


「何処行くの?」


「宿でいいだろ」


「今日泊まる所?」


「ああ」


促されるままミネルアはヴォルスの後ろについていった。

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