双子の異世界・奇跡の花束
宿屋の亭主に予約していた部屋の鍵を借り、中へ入る。

4人部屋で、今夜はミネルア、ヴォルス、クルーガ、ゼノで寝る予定だった。


「一体どうしたの・・?どこに行ってたの?」


「・・・ちょっと、な」



すんなりと教えてくれない。


ヴォルスは近くにあったベッドに腰かけ、ミネルアを横へ促した。


顔を覗き込むと、無表情ではあるがどこか様子がおかしい感じがした。


皆が拗ねてると言ってた事を思い出す。



_あ、もしかしてレシオンに近づいたから・・かな?怒ってるのかな?



ジッと見つめるとヴォルスは目を逸らした。


「見過ぎ」


「あ、だって・・何かあったのかと思って・・心配した」


「・・」


「いつの間にかいなくなっちゃうの・・怖い」


「・・悪い」


ドキン


ドキン


部屋が静かなせいなのかわからないが、ヴォルスの声が胸に響いて聞こえる。


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