双子の異世界・奇跡の花束
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その頃酒場では団長達も盛り上がりつつも異世界についての話をゼノに聞きたがっていた。

ぐでんぐでんになりつつある団長。他の旅団達もすでに出来上がっている。

あまり飲まないクルーガは呆れた顔をしている。

ゼノは自分のペースで酒をゆっくりと飲んでいる。

そんなゼノに団長は吹っ掛ける。



「なあ?なんでお前はあっちの世界に行ったんだ?興味ありまくりなんだけどなぁ」


「ここではあまり言いたくないな。関係ない人間もいるだろう」


「固い事言うなよ~。誰も信じちゃいねえよぉ」


「まあ、な」


「感動の再開に乾杯!」


「はいはい乾杯」



何度目の乾杯だ。

若干ゼノも面倒になってきた。



「でもよ。正直言うと、ミネルアを返したくねえよ」


「・・・」


ゼノは酔った勢いで言ってくると確信していた。

団長は娘の様に可愛がってきたと聞いていたからだ。



「だって、あいつ・・・」


「好きな男でもいるとか?」


「そうです!離ればなれになって一生会えなくなるんだろう?めちゃくちゃ可哀想じゃねえか」


「まあ8年もこっちにいたんじゃそうなるのも当然だな。」



ゼノはサラっと切り返す。



「あんたは娘とかいるのか?あっちの世界に?」


「・・・いや。」


「そうかい。じゃあこういう話には共感できねえだろうな」


「そうでもないさ」


ゼノは酒を飲み干した。

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