双子の異世界・奇跡の花束
街から少し外れた岩場にテントが張ってある。

今日はヴォルスが食料調達の日だった。

ミネルアが手伝うつもりで荷物を持とうとすると首を横に振られた。


「一人でいいの?」

「一人で持てる」

「凄いね、ヴォルス。力持ちだ」


相変わらずの無表情ではあるが、ヴォルスはミネルアの小さな手を必ず握っていた。


「昨日は眠れたか?」


「・・うん」


眠れるはずもなかったが、ミネルアはそう答えた。


ヴォルスも解っていた。


布団の中で静かに涙を流していたミネルアの事を。


しかしミネルアは嘘をついた。余計な心配はされたくないという強がりだった。


_私はお父様とお母様の子なんだから。一人でなんでも出来るんだから。
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