双子の異世界・奇跡の花束
「あ~~~なんも思い出せねぇ」


と、頭をかきながら団長は言った。


「もう!飲みすぎだよ!」


そして嫁の様な口ぶりでミネルアは言う。


「久しぶりに羽目外しちゃったんだよなあ」


「私はいつも外してる様に思うんだけど」


「ハハハ、そうかな?」


「そうだよ!」


やれやれとミネルアは笑う。

でもこれがいつもの自分の日常。

いつかお別れがくるかもしれない日常。


「あ、ゼノだ」


遠くからゼノとヴォルスが歩いてくるのが見えた。


「よお、クルーガから聞いた。昨日はごちそうさん」


「どういたしまして。さてここからの話なんだけどな」


「おう、良いぜ」


ゼノは旅について切り出した。


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