双子の異世界・奇跡の花束
ルミーユまでは半日以上かかる。

準備を万全に整え、旅団一行もゼノの馬について行く。

先頭はゼノと団長だ。

ミネルアは旅団の馬車の中で窓から空を眺めていた。


「おい。お前ら」

「ん?」

「なに?」


クルーガの声に二人は振り返る。


「行っていいのか?本当に」


「え・・・」


「だってよ。お前ら・・」



しんみりした空気をかき消す様にミネルアは言った。



「どうなるかわかんないけど・・・でも、前に進まないと」


「ま、俺の知ったこっちゃねえけど。後悔だけはして欲しくねえからな」


「クルーガ・・ありがとう」


「・・・」


ヴォルスは何も応えなかった。


ずっと何かを考えている様だった。

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