双子の異世界・奇跡の花束
ルミーユに着いたのは夜だ。

元城下町。ルミーユの城は古城で、今は誰も住んでいないそうだ。

馬車を降り、町の大道路を歩く。



「さみ~~~~。ミネルア楽しそうだな」


「雪は知ってるしね。それに綺麗」


街灯にちらつく雪はキラキラと綺麗だ。

なんといっても、自分の世界の町と作りが似ている。

そこにミネルアはときめいた。


「お前ら、今日の宿を取って来い」


「押忍!」


団長は旅団員数名にそう言ってミネルアに近づいてきた。


「ミィ、とりあえず暖かいとこに行くぞ」


「おとうさんは平気そうね」


「まあな。鍛えた肉の鎧があるからな」


「フフフ」


夜に賢者を探すのはとても危険だ。

何せ夜中には雪は吹雪に変わる。


「姫様、とりあえず明日の朝ユミール古城へ向かってみようと思う」


「ゼノ、わかった!」


その様子をヴォルスは遠くから眺めていた。

ずっと何かを考えて。

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