双子の異世界・奇跡の花束
「姫様は今日はこちらで寝てください」


「え・・・」


ゼノはワザと旅団達の宿と離れた宿の前で言った。


「なんで・・」


「何でもです。まあ今更ですけど、姫様は女性ですし」


「え?平気だよ今までだって一緒にテントで寝てたんだし」


「駄目です」


「・・・」


急に世話役の様に強引になってきたゼノ。

それを遠くから見ていたクルーガとヴォルス。

クルーガは昨日の光景が頭によぎる。



「あー。まあ、ああなっちまうか」


「別にいいだろ、ミネルアがどこで寝たって」


ヴォルスは気にしていない様だ。


「え?明らかにお前を避けてるんじゃね?ゼノさん」


「釘刺されたしな」


「え!?マジ!?」


その事を思い出し、拳を握りしめる。


「いいのかよお前それでー」


「・・・」



_いいのか、悪いのかわからない。ミネルアの幸せが何処にあるのかがわからないんだ・・



ヴォルスはクルーガを無視して宿の中に入っていった。



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