双子の異世界・奇跡の花束
「皆と寝たいよ」


「駄目です」


まだ口喧嘩をしているミネルアとゼノ。


「もう!私はもう子供じゃないんだよ?自分で決めたっていいじゃない」


「そういうとこが子供なんです。だから言ってるんですよ。まったく」


「あ、出た!昔から口癖だよね!まったくって!!」


「ええ、姫様もあなたの母上も、困った姫ですよ」


「む!それでもドルーアの世話役な訳!?王族に対して失礼よ」


「ほお~?良かったです。貴女がまだそういう気持ちでいて下さって」


「うぐ・・」



口では一生勝てないかもしれないとミネルアは敗北感を味わった。


その様子を見て、ゼノはミネルアの前に跪いた。


「ちょ・・何して」


「貴女は皇女なんです。ドルーアの第一皇女です。忘れないでください」


「・・・」


ワザとだ。

ワザとそう言っている。


じんわりと目に涙がたまってきた。


「わ、わかってるもん・・・わかってる・・・うぅ・・ゼノのばかあああ」


「・・すみません」



_でも、思い出して欲しいんです。貴女を心配しているエレノア様とクロノス様を・・・



ゼノも平気ではなかった。

ミネルアに大事な人間がこの世界に出来てしまった。

でも最終的には帰らせてあげたいと望む。

それが自分の役割だから。


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