双子の異世界・奇跡の花束
ぴちゃぴちゃと、雪が溶けだす音が聞こえる。

窓には氷柱が列をなしている。

次の日はいい天気になった。

外の積もった雪はキラキラと朝日を浴びてとても綺麗だ。

町の人々は朝から懸命に雪かきしていた。



「おはようございます。姫様」


「おはよう」


大人しく挨拶をした。


「昨日はすみませんでした」


「・・もう気にしてないわ」


口ではそう言っているが、ミネルアの顔はふくれっ面だった。


「フフ、皆待ってます。そんな顔してたら笑われますよ」


「あ!朝から酷い!誰のせい!?」


「はいはい俺のせいですよ」


ぷんすかっ


ゼノに促され、顔を膨らませながらミネルアは宿を後にした。

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