双子の異世界・奇跡の花束
「失礼いたします。賢者様、お会いしたいという方がいらっしゃいます」


部屋の中に入ると、奥のベッドに横になっている老人がいた。


「こんなむさ苦しい所へわざわざ、何用かな?」


「あの・・・初めまして」


ミネルアがお辞儀をすると、皆その後につられるようにお辞儀をした。


「私、ミネルアと言います。マナを持っていません・・その意味がお分かりになりますか」


「おお。異世界の住民か。そうかそうか」


ミネルアの胸が熱くなる。

すんなりと賢者は自分を理解してくれた。



「ん・・そっちの、君だよ君」


ゼノは指を刺される。

皆の視線はゼノに向いた。


「君は、確か異世界に向かったゼノ君だね」


「!!」


全員が目を見開いて驚いた。


「・・はい。そうです。賢者様・・覚えていて下さってたんですね」


「もちろん。そのマナの色は一人しかおらん」


賢者にはマナの力が目に見えているらしい。


「という事は、フレアお前の父親だよ」


「え?」


フレアはゼノを凝視する。


「えええ!?」


もちろんミネルア達も驚いてゼノとフレアを交互に見回す。


今日一番の驚きだった。

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