双子の異世界・奇跡の花束
「そんな・・・事が・・・」


皆唖然としている。

驚愕の事実に誰も口を出せるわけがない。


「貴方が私の・・お父様」


「・・・ハハ。見間違いじゃなかったんだな。お前、母親にそっくりだよ。あと、俺と同じマナの力」


「!」


フレアの放ったマナは雷だった。


ゼノはその時に確信していた。名前とマナですぐにわかった。


自分が置いて来た娘だという事に。


「私とお母様を置いて・・」


「そうだ。捨てたんだよ」


「!」



フレアはサラッと言われたその言葉に怒りを露わにする。


「賢者様!追い出してもいいですか」


「ちょ・・」


それを聞いて慌てたのはミネルアだった。


「待ってください。私は・・私とゼノは元の世界へ帰りたくてここに来たんです」


「無理よ。さっき聞いたでしょ・・・その人は時空の歪みに飛び込んでその体になったって。
貴女も飛び込んだら、今の姿じゃなくなるかもよ?」



ドキッ


と胸が痛む。


「それって・・帰ってもお父様やお母様に会えないってこと?」


「そういう事なんじゃないの?」


「・・・」



ガツン・・と殴られた気がした。



「そう・・・なのね」



愕然と落ち込むミネルアを、ゼノとヴォルスが支えた。


「何か、方法はありませんか」


「・・・うーんそうだねえ~。ちょっと考えさせてくれ」



賢者も少し困った様に言った。


「いつ答えが出るかわからないけどね」


「・・・・」


「今日はこれで失礼します」


お辞儀をしてゼノはミネルアを連れて部屋から出て行った。

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