双子の異世界・奇跡の花束
「ゼノ!ゼノ!待って!ゼノ!!」


必死に男性の後ろ姿を追いかける。


「ゼノ!!」


ようやく追いつき、手を握った瞬間。


「ん?お嬢ちゃんどうした?誰か探してるのかい?」


ドキっ


「あ・・ごめんなさい」


_違った!ゼノかと思ったのに・・・


人違いだった。

後ろ姿は本当によく似ていた。


「ゼノ・・う・・ぐす」


やってしまった。

あんなにヴォルスは離れるなと言っていたのに。


_だってゼノかと思ったんだもん。逢いたかったんだもん。


「うぅ・・逢いたい・・逢いたいよぉ・・ゼノ・・ゼノどこぉ・・うえぇえ・・」



泣きながらふらふらと宛ても無くよろめく。



「ヴォルスに叱られる・・うぅぅ・・ゼノ・・助けてよぉ」



寂しさに明け暮れ、近くにあった噴水の前で泣き続けることしか出来なかった。




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