双子の異世界・奇跡の花束
「ゼノ、起きてる?」


「起きてますよ」


ミネルアは心配そうにゼノをのぞき込む。


「どうしたんですか?眠れないんですか?」


「うん」


「小さかった頃みたいに、背中撫でてあげましょうか?」


「え゛・・いいよ」



さすっ

とミネルアはゼノの背中を撫でた。



「私が撫でてあげるよ」


「急にどうしたんですか。驚きの行為なんですけど」


「だって。なんだかとっても寂しそうだったからさ」


「そんな風に見えますか」


「うん。見える」


「ハハ、お見通しですか」


ゼノは黙って撫でられた。


ミネルアの思いがとても心地よかったから。

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