双子の異世界・奇跡の花束
「父上!失礼いたします!!」


城に戻ると、会議中だった皇帝にレシオンは急いで確認する。


「なんだ、騒がしい。会議中ぞ」


「ご無礼なのは承知です。ルシオネスに使いを頼みましたか?」


「ルシオネス?いや、知らん」


「何!?やはり・・・」


「何があった」


「なんでも父上の使いでルジオへ向かうと先ほど馬車に乗って・・」



すると一人の兵士が口を挟んだ。


「ルシオネス様は先ほど狩りに行くとおっしゃっていましたよ?」


「・・・狩り・・だと?」







ドクン







レシオンの心臓が嫌な音を立てる。

シャックスは命令を仰ぐ。



「レシオン様。いかがなさいますか」


「すぐ追う!馬を用意しろ!!」




その様子に皇帝は眉をしかめる。



「何を慌てておる」


「父上、今まで見守ってきてくださったこと感謝します。私は・・いや、なんでもありません」



レシオンは言うのをやめ、すぐに会議室から出て行った。


_弟をこの手で・・・

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