双子の異世界・奇跡の花束
急いで城の最上階へと向かおうとすると、大賢者は城の門まで来ていた。


「賢者様!」


「おお、来たか。ミネルバ」


「ミネルアです!」


「おお、すまんすまん」


ワザとなのかなんなのか。初めは冗談をかましてきたが、すぐに賢者の顔は険しくなった。


「実はな。いやな夢を見てしまってな」


「え?夢ですか」


「不幸と幸福が待っている夢だ」


「え?」


ミネルア達は理解出来ず首を傾げる。


「予言ですか」


ゼノがそう言うと賢者は空を見上げた。


「時空の歪みには強大なマナの力が必要だ」


「・・はい。あの時みたいな感じですね」


ゼノは先の大戦争を思い出す。


「その強大なマナがこちらへ向かっている」


「え?」


「とても危険、だが上手くいけばあちらの世界へ帰れるかもしれん」


「!」


皆は素直に喜べるはずはなかった。


不幸が先にやってきていると言われているのだ。

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