双子の異世界・奇跡の花束
フレアが口を出してきた。


「よく考えてください。皆さん」


「フレアさん・・」


「不幸の先に、幸せを掴み取れる人なんて・・ほんの一握り。
いえ。いないかもしれない・・
私だったら・・大切な人を不幸な目にあわせられない」


確かにその通りだ。

皆葛藤した。

ミネルアをどうやったら守れるのか。

その不幸とは一体なんなのか。



「大切な人を守る為に、引くことも立派な作戦です」


「・・・だがそれは姫様次第だ」


「え・・・」



ゼノはフレアに向かって言った。


「俺は姫様に従う。姫様の側近だからな。過去には戻らない」


「ゼノ・・」


「姫様が帰りたいというのなら進む。帰りたくないなら進まない」


「な、なんで・・今まであんなに帰ろうって言ってたのに」


「・・・この先の未来は誰にもわからない。俺は姫様が幸せだと思う未来へ進みたいんだ」




_そんな・・・こんな土壇場で私に全部託してきた・・なんで?ゼノ?



ミネルアは震える手を思いっきり握った。

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