双子の異世界・奇跡の花束
「ふい~、やっと着いたぜぇ」


「お疲れ様みんな」


馬を宿舎に預け、とりあえず休憩にした。


「それにしても、賢者様の予知夢?本当なのかね」


「そうっすね」


団長や団員たちは井戸から水を汲みながら呑気に言った。


「賢者ってどうやったらなれるんだろうな」


「ハハ、そんな事考えた事ねえからわからないですね」


「俺達には石堀が似合ってますよ」



少し離れたところで、ミネルアとヴォルス、クルーガが町の入り口で様子を伺っているゼノを見つけ駆け寄った。


「ゼノ、やっぱりなにかあるの?」


「ええ。嫌な予感がします。マナの力の様な・・」


ゼノも賢者補佐の修業をしていた身だ。マナに対して敏感で遠くにいても感じ取る事が出来る。


そしてヴォルスも特殊な力を持っているのか耳がいい。


「確かに、何か音がするな・・でも俺には馬車みたいなものが走っている様なそんな音だ」


「馬車?」


「ああ・・・」


と、ゼノが目を凝らすと遠くに蠢く何かを発見する。


「二か所の方向から、同時に何かが・・・向かってくる」


「え?」

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