双子の異世界・奇跡の花束
「お前、それでも帝国の皇子か!!弱い民を簡単に無残に殺せるのか!!」


「ええ、僕のやりたい事の行く手を阻むなら殺せます」


「なんだと!!」


レシオンはこれ以上ない程の憤りを感じていた。

一体何が弟を変えてしまったのだと。

屈託のない笑顔を自分に向けていた弟は一体どこへいってしまったのか。



レシオンはゆっくり瞬きをすると覚悟を決めた。


「わかった。お前は・・・俺がこの手で葬ってやる」


「兄様!」


「ニア、許せ。だが、こいつは弟じゃない。悪魔だ」


その言葉にルシオネスは身震いした。

そして不敵に笑う。


「僕は今日という日を待ち望んでいたのかもしれない・・この手で兄を殺せる日を」


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