双子の異世界・奇跡の花束
「と、メインディッシュは取っておくとして、まずはゴミをかたずけないとな」


とザンはクルーガを無視し、旅団員達に目を付ける。


人を殺すことに躊躇わない目をしている。


団員達は冷や汗を流していた。



_どうしよう・・どうしたら・・俺達じゃ到底・・



「望み通りいたぶってやろうか」


ザンは手を掲げ、水を刃に変えた。


そしてその刃は団員達目がけて飛んでいく。



「させねえええよおおおっ!!!」


重低音が響くと、その刃は宙を浮いた。


「おお、なかなか。一般庶民の分際で」


「うるせえ!このキチガイ変態クソ野郎が!!!こいつらには絶対手出しさせねえからな!!」


団長だ。



「フフ、でもそんな小細工、全然役に立たないと気づかないのかね、いい年して」


「なんだと!?」



ザンは笑いながら、もう片方の手を掲げる。


すると井戸から水が溢れ、背後から団員達を襲った。

水が全身をまとわりつく。



「わわっ・・なんだこれっ・・」

「うぐっ・・溺れ・・ルッ・・・」

「たすけっ・・」


苦痛の声を上げる団員達。


「うおおおおおおおっ!!」


焦ったクルーガは急いで団員達の元へ向かい、炎で水を蒸発した。


「あのやろ・・・」


「ごほ・・クルーガ・・」


「ミネルアと一緒に隠れてくれ。あいつは俺と団長とヴォルスでやるから」


「す、すまねえ」


「ミネルアの事頼んだ」


「お、おう!」


急いで団員達はミネルアの元へ向かった。


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