双子の異世界・奇跡の花束
「く・・はぁ・・はぁ・・長丁場になりそうだな」


レシオンはそう言って膝をついて睨んだ。


「兄上、スタミナ不足みたいですねえ・・フフフ」


ルシオネスは余裕な顔で言って手を掲げた。

とその時。


ビュッ!!

と切り裂く音がした。

漆黒の風を纏って、ヴォルスは駆ける。


「はぁっ!!」


「あっ!?」


寸前でルシオネスはヴォルスの攻撃を交わした。

不意打ちに後ずさった。

そしてそれを見たレシオンは驚きの表情をしていた。



「な・・」


「まだ立てるんだろ?」


ヴォルスはレシオンの前で構える。

レシオンはヴォルスが自分を助けに来るなんて思いもよらない。



「どういう・・風の吹き回しだ?」


「ダッセェから、笑いにきた」


「なんだと!?」



怒りながらレシオンは立ち上がる。

そしてヴォルスの口からぼそっと聞こえた言葉を聞き逃さない。



「お前が死んだら・・・あいつが泣くだろ」



それを聞きレシオンは笑う。



「お前も死んだら、あいつ泣くだろう」



というレシオンの切り返しに、ヴォルスはにやりと笑う。



「どっちが先に倒せるか勝負しようぜ」


「乗った!!」



二人は楽しそうに笑いながらルシオネスに向かっていった。


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