双子の異世界・奇跡の花束
そしてその頃ゼノはミネルアを抱きかかえながら空を眺めていた。


「ゼノ、離してよ!皆を止めなきゃ」


「・・・・」


ゼノは黙って空を仰ぐ。


「ゼノ!!」


「来る・・・」


空がどんよりと黒い雲に覆われていく。


「な、何?」


「きっと・・来ます」


「それって時空の歪み?」


「ええ・・どうしますか?帰りますか、とどまりますか。」


「そんな・・・私は・・」



ふわりと思い浮かぶ両親の顔。

目の前に広がる懸命な仲間達。



「私は・・・」


躊躇していた時だった。


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