双子の異世界・奇跡の花束
そして更に同じ時間、レシオンは自分の手で弟にとどめを刺すこととなった。


「・・俺はこんなの望んではいなかった・・」

「ち・・・くしょお・・・二人なんて卑怯・・だろ」

「ルシオネス・・」

鈍い音と共に、ルシオネスは倒れた。


「俺は・・お前と国を築き上げたかった!!」


レシオンはルシオネスを抱きかかえ涙を流した。

ニアもルシオネスの手を握る。


「お兄様・・・」




一方、ヴォルスは空を仰ぐ。



「これで・・・ミネルアは元の世界へ帰れる」


「何?」


ヴォルスにそう言われ、空の異変にレシオンは気が付いた。



「凄い雲だ。真っ暗闇で・・吸い込まれそうな程」


「ミネルアの方へ」


「あ・・ああ!」



二人は急いでミネルアの元へ走った。


チクン


チクン




胸が痛い。


二人は全く同じ気持ちだった。



_本当は・・離れたくない・・・



_お前とずっと一緒に笑っていたい・・・・



_でも・・。

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