双子の異世界・奇跡の花束
「いた!!!」


ギクッ


「レシオン様!!」


「や、やあ。」


レシオンが振り返ると、鬼の様な形相で青年が立っていた。

まるで般若。

だがレシオンは平気ぶって普段の顔で見上げた。


「何をやってるんですか!!皇子の貴方に何かあったら、俺の首が跳ねられるんですよ」


「え、跳ねられればいいじゃん」


「皇子!!」


「ごめんごめん」


「ルアード帝国皇子の自覚を持って頂きたい!」


「ごめんて。でも、そんなに大きな声で言ったら、ここの人達にバレるぞ」


「・・うぐ。そうですね、すみません」


「ミネルア、可愛い子だったな」


「え?」


「なんでもない」


ぼそっと一言呟いて、レシオンは街を後にした。


この世界で一番の強国。

彼はルアード帝国の第一皇子・レシオンだった。
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