双子の異世界・奇跡の花束
「ミネルア、起きなさい」


「・・・ん」


「もう、春だからってこんなところで寝たら風邪をひきますよ」



ゆっくり目を開けると、目の前に優しく微笑む母の姿があった。



「お、お母様!?どうしてここに!?」


「え?寝ぼけてる?」



起き上がり、辺りを見回す。

そこはとても懐かしい場所。

自分の生まれ育ったドルーア城のテラスだった。


「お・・城」


しかし自分の姿は15歳のままだ。


「何言ってるの。さ、こちらへ来なさい」



ミネルアは母に連れられ城の廊下を歩く。

ふいに母に尋ねられた。


「なんの夢を見ていたの?楽しい夢?怖い夢?」


「えっと・・・」


すでに思い出せない。


「私・・なんの夢みてたのかなぁ」


「もう、変な子。フフ、でも私にそっくりかも」


母が連れて行ってくれたのは、城の中心の大広間。

そこには父クロノスと側近のネイファ。

弟の姿、その近くにはゼノもいた。


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