双子の異世界・奇跡の花束
「皇帝陛下。隣国よりご到着しました」


「通してくれ」


隣国の来客人物が部下を従え、広間へとやってきた。


「本日はお招きいただき、恐悦至極にございます」

「こちらこそ、娘の為に遠路はるばるよく来てくださった」


クロノスが挨拶をしている間、こっそりとミネルアは母エレノアの後ろに隠れた。


「こらミネルア、ちゃんとなさい」


「でも・・お母様、娘の為にって何の事?」


「お父様は隣の国の王子をあなたの婚約者にと考えているんです」


「え!?何ですかそれ・・そんなのいきなり言われても!!」


「無理にとは言わないけど・・良く話し合って決めなさいね」


「絶対に嫌です・・・そんなの」


両親の発言に戸惑うミネルア。

心がモヤモヤちくちくした。


_だって私には大切な人が・・・ん?そんな人いたっけ?あれ?なんでそう思うんだろう?なんかやっぱり変だ、私・・。


俯き不貞腐れながらその来客の顔を覗き込む。


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