双子の異世界・奇跡の花束
今日は皆宝石を発掘しに岩山に向かっている。

ミネルアとヴォルスだけがテントの見張り役だった。

仕事がひと段落着いた後、早速ミネルアは服装を変えた。

髪も表面だけ短く切り、中の長い髪を編み込みピンでとめる。

一見ショートカットにしか見えない。


「どうかなー?」


「・・・」


まるで少年の様な出来にヴォルスは鼻で笑った。


「似合いすぎて引く」


「何それ!酷い!ヴォルスがやれって言ったのに!!」



プンプンと頬を膨らませてふてくされるミネルア。



「あと、何か護身術も身に着けた方がいい」


「ごしんじゅつ?」


「誰かに絡まれた時に、戦えるように」



ドキン


ミネルアの胸が跳ねる。



「そか・・そうだよね・・」


3年間大切に保護されてきた。

だが今後いつどうなるかもわからない。

この世界の人の様にマナを持ってない自分は一番弱い存在だ。

ヴォルスは不安そうなミネルアの頭をポンと撫でた。


「マナが無くても生きていける。俺もほとんど使わない。使わなくたっていいんだ」



慰めで言ってくれてるのだろう。

頭をなでる手がとても優しかった。


「わかった!じゃあ今から何かやる!教えて!」


「ああ」


< 35 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop