双子の異世界・奇跡の花束
外に出たミネルアとヴォルスは、剣と弓を持って大きな木の前に立った。


「とりあえず弓だな。引いてみろ」


「どうやるの?」



木に紙を貼り、ヴォルスはそれ目がけて弓矢を放つ。


ガッ


と鈍い音がして、矢は紙に当たった。


「凄い凄い!ヴォルス!」


「やってみろ。こう構えて・・」



ヴォルスはミネルアに構えさせる。

初めは当たるなんてレベルには及ばない。

特に女性は向いていない。

なのでワザとクタクタの弓を用意した。



「まあ、人には得意不得意があるし。初めから出来るわけもない。
大体女は弓なんて引かない・・」



ガッ!



「きゃー!当たった!!」


「・・・嘘だろ」


弱々しい腕の癖に、一発で矢を放てた。


しかも的の真ん中に。


「まあ、まぐれだな」


「もう一回!」


「ああ。何回でもやれ、見ててやる」


ミネルアの瞳は今までで一番生き生きと輝いていた。
< 36 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop