双子の異世界・奇跡の花束
あれから3時間が経った。


「よ~ただいま~!」


「クルーガ」


一足先に帰ってきたクルーガ。

ヴォルスの顔が変に歪んでたので、首を傾げた。


「どうした?あれ?遠くにいるのミネルア?髪切った?
というか、何?弓教えてるの?」


「ああ。だが、教えることは何もない」


「は?」


バシャッ!!


と大きな音がして、クルーガは自分の目を疑った。


川を目がけてミネルアは弓を引いていた。


「何やってんの?あれ・・・」


「魚取ってる」


「はぁ!?弓で!?凄くねえ!?」

「3時間前に教えたばかりなんだ。だが・・・武の才能がありすぎる。怖いほどにな」


網かごに山盛りの魚。


今日の夕飯にするらしい。


二人は知る筈もないが、ミネルアは父クロノスの血を継いでいる。百戦錬磨の父の血だ。

武道に関しては才能が初めから備わっていた。



「よお、すげーじゃん!」

「あ、クルーガお帰り~。見てみて大量!食べきれなかったらどうしよう?」

「プ・・ハハハ・・ミネルアってすげーな!なあ、ヴォルス!」


「ああ」


本当に凄いと思った。

弓だけではない。剣や体術など簡単なものから教えたが飲み込みが相当早い。

女にしておくのがもったいないくらいのセンスだった。


_どうなってんだ、お前の肉体。
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