双子の異世界・奇跡の花束
その日の夜は年の近いミネルアとヴォルス、クルーガの三人しかテントに居なかった。


ローソファに三人並んで座っている。



「今日も酒場か~。いいよなおっさん達は」


クルーガはまるでビールを飲む様なそぶりで水を飲み干した。


「でかい掘り出し物があったんだろ?皆金持ってるからな」


「早く俺も行きたいなー」


「あと4年くらいだな」


「ながっ」


この世界の成人は18歳。そうすれば酒が解禁となる。

そんな会話をよそに、もくもくと本を読んでいるミネルア。

クルーガが早速茶々を入れる。


「何読んでんだ?」


「な、なんでも・・」


「あ、な~んか乙女チックな色だし、恋愛系だな」


「ち、違うもん」


「は?燃やすぞ?そんなの」



真面目な声でヴォルスが言った。


女になる事を心配してると言うのに恋愛に興味があるなど許せるハズがない。


「違うって。ただの冒険小説だよ」


「ふん」


ミネルアが徐々に成長し、口も達者になり最近は口げんかもするようになった。


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