双子の異世界・奇跡の花束
ミネルアは本屋の前で立ち止まった。


ヴォルスの顔を思い出したからだ。

怒っているしかめた顔。


一度ドアノブに手をかけたが躊躇する。


「また・・怒られるかな・・」


急に手が震えだしたのでドアを開けるのをやめた。



キャッハハハ・・

ふと耳に子供の声が入ってきた。


「あっちに公園があるんだ」


少し歩くと広い公園があり、真ん中に噴水があった。


今日は天気も良く清々しい。


子供たちは追いかけっこをして笑っている。


「楽しそうだなぁ」


ミネルアはその楽しそうな子供たちにつられ、ベンチで一休みしようと噴水の方へと向かった。

すると




バシャンッ




急に大きな水音が聞こえたので、噴水の方に振り向いた。


クスクスクス・・

遠くから女性の笑い声が聞こえる。


「落ちたわ」

「恥ずかしい人」

「誰か助けてあげなよ」



と遠くから見ているだけだ。


男の人が足を滑らせ落ちたらしい。


残念ながら一番近い場所にいたのはミネルアだった。


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