双子の異世界・奇跡の花束
「皇子!ここにおりましたね」

「ああ、うるさい奴が来た」


レシオンは面倒くさそうな顔をして声のする方に振り向く。

ミネルアは首を傾げた。


「っわわ・・レシオン様、そのお綺麗な方は」

「恩人だ。ミネルアという」

「初めまして」



ペコリとお辞儀をすると、その人物もペコリと返した。


「俺はシャックスと言います。レシオン様の直属兵です。お世話がかりも兼任しております」

「え?お世話?」

「小さい頃の話だ。もうしてない」

「ええ~!?俺はまだそのつもりですけど」

「いつまでそのつもりなんだ」

「そりゃあ、死ぬまでです!」

「やれやれ・・」


レシオンより年上だ。20代後半くらいだろうか。

穏やかそうな目をしているが、せわしい感じだ。



_お父様の側近みたい・・。



似たような立場であった父の側近、ネイファを思い出す。

ネイファも口うるさく父の近くで助言をしていた思い出がある。

懐かしさと込み上げてくる笑いを堪え、ミネルアはしげしげと挨拶をした。



「今日はお招きありがとうございます。よろしくお願いします」


「よろしくお願いします。ああ、上品でいい娘ですね皇子!」


「・・当然だ。俺が見つけたんだから」


どうやらシャックスにもすぐに気に入られた様だ。

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