双子の異世界・奇跡の花束
レシオンは顔は笑っていたが、額にうっすらと汗を浮かべていた。


ヴォルスがどんな能力か知らないが、殺意だけは感じていた。


天井からシャックスが心配している。


「皇子!気を付けて!特異体質かも」


「わかってる!!」


その言葉に反応したのはヴォルスだった。


「その通りだ」


ブワッ!!

と黒い風が舞ったかと思うと、ヴォルスの体が大きく変化していった。


バキバキバキ・・

と骨のきしむ音がする。


「な・・に・・?」


ミネルアはヴォルスの変化に驚き硬直した。


レシオンは固唾を飲む。


「変化形か・・あれは・・」



まるでオオカミの姿。

オオカミと人間が混ざった様なそんな姿をしていた。


浮きながら見守るシャックスは冷や汗を垂らす。


「あれは・・昔滅んだはずのデルファン王族の力・・レシオン様!」

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