双子の異世界・奇跡の花束
10分後、ぼーっとしていたミネルアを探しにクルーガが入ってきた。


「いた!おい何やって・・」

ビクッ


ミネルアの目が遠くを見たまま動いていなかった。


「おい、大丈夫か!?何かあったのか!?」


「・・ハッ。クルーガ・・」


「なあ?なんかヴォルスの奴が団長に何か言って出て行ったんだけど」


「え!?」


それを聞き、すぐに立ち上がった。


「一人で何処か行ったみたいだけど」


「何処に!?」


「さあ?」



ミネルアは急いで団長の元へ向かった。



「おとうさん!?ヴォルスは?」



団長はいつになく真剣な顔をしていた。

滅多に見ない顔だ。



「お前の故郷を探したいから、しばらくいなくなるって」


「え!?」


ミネルアとクルーガは驚愕した。


「しばらくって・・」


「さあ?大体故郷ってお前覚えてないんだろう?」


「う、うん・・」


明らかに何かあったと確信したクルーガはミネルアの手を引いた。

ミネルアは青ざめた顔をして俯いている。



「まあ、あいつが言ったんだ。しょうがねえよ。団長、最後の買い出しにいってくる」


「ああ。よろしく頼む」


いそいそとクルーガはテントを後にした。
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