双子の異世界・奇跡の花束
少年は未だ怯えているミネルアの手を引いて歩き出す。

ミネルアは震えながらも少年の後をついて行く。


「ここだとそいつが目を覚ますかもしれない。とりあえず俺達のテントまで歩こう」


「そうだな」



クルーガはミネルアの小さな頭をよしよしと撫でる。


「俺、クルーガ。名前は?」


「・・ミネルア」


「ふーん、何歳?」


「7歳」


「そっか・・災難だったな。もう大丈夫だぜ。あ、この無表情なのがヴォルスな。
顔は何考えてるかわかんないけど、いいやつだぜ。現にお前を助けたろ?」


コクリ。
とミネルアはたどたどしくお辞儀した。

どうやら二人は善い人そうだと思えた。

クルーガの目がニコリとほほ笑んだからだ。


「ヴォルス・・ありがとう」


「・・ああ」


ミネルアはまだ少し怯えつつもヴォルスにお礼を言った。

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