双子の異世界・奇跡の花束
ミネルアが何故槍を構えていたのか、そればかりがレシオンの脳裏にあった。

あのシーンが焼き付いて離れない。

だが答えは一つ。自分の命を守る為だろう。


「ミネルア」


ギュッ


レシオンはミネルアを抱きしめる。


「本当に無事でよかった・・」

「レシオン・・」


本気で心配してくれているのが手に取る様にわかる。レシオンの体はとても熱かった。

ミネルアは安心した途端に指先が震えだした。

そしてレシオンはその指を守る様に握った。



「こんなに震えて・・」


「アハハ。安心したら急に・・」


どちらかというとその行動にドキドキと心臓が鳴りやまない。


そして振り払うように大事なことを思い出す。



「あ、あの・・お願いがあるの!早くしないと時間がないっ!!」


「どうした?」


ミネルアは必死に懇願する。

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