双子の異世界・金色のはなびら


「あらら?ここはどこ?」


案の定、迷子になってしまったエレノアは大きな柱が何本もそびえ立つ大廊下をキョロキョロしながら歩いていた。

「レストルーム何処かなぁ」

とっくに広間を抜け、周りを見渡すと使っていない広間や会議室が並んでいた。

「ムム、なんだか全然違う方向に来ているかも知れない…引きかえそうかな」


と思った瞬間、前から誰かが走ってきた。

コツコツとヒールを鳴らし急ぐ一人の姫とエレノアはすれ違った。


「?」

エレノアが不思議に思いその姫の方を振り向くと、その姫もまたエレノアの方を 見て振り向いた。

「あの、どうかされました?」

「っ…あ、あなたも行くの?」

泣いているのか小さな声で姫が言う。

「え?」

「あ、あの男…皇帝は近づかない方がいいわよ」

「な、何故?」

「…っ………」


姫は口をきゅっとつぐむと広間の方へ駆けていった。


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