双子の異世界・金色のはなびら
「姫様、気づかれましたか」

「ゼノ…」


ベッドに横たわるエレノアの横には、安心した様子のゼノがいた。



「私…どうしたの?」


「急に倒れたんです、びっくりしましたよ!」


「全然記憶がない…」


「体調いかがですか?」


「うん…大丈夫…」



エレノアは目を擦ると、指についた雫を見てさっきの夢を思い出した。



「姫様、少しうなされてましたけど怖い夢でも見てたんですか?」


「ううん…怖くはなかったけど…少し悲しかった」


「そうですか…」


「ゼノは体大丈夫なの?あんなに苦しそうだったのに」


「すっかり戻りましたよ!まぁ、元が強い体ですしね」


「フフッ、良かった…」


「それはそうと、明日の特技披露が急遽、今日の夜になったんです!」


「えええ?!」


「皇帝と大臣の都合によりらしいんですけど…」


「どどど…どうしよう…」


「夜の19時から始まりますから、それまでに何をするか考えて下さいね」


「今16時!?私そんなに寝てたの!?あーーーんっ(泣)無理だよおおおお!」

「ファイトー」


「心こもってない!!!」



エレノアは現実逃避さながら、ベッドに潜った。


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