双子の異世界・金色のはなびら
「クロノス様、広間は着々と準備が整っております」

「そうか」


宴の場所を新しく作り直していたネイファは不思議そうにクロノスを覗きこんだ。


「一体どうなさったのですか?ご自分から時間を早めたいなどとおっしゃるなんて」

「どうもこうも、こんな馬鹿げた事さっさと終わらせたいまでだ」

「そうなのですか?…てっきり私はどなたか素敵な姫を見つけられたのかと」

「馬鹿言うな。女など誰でも同じだ。早く終わらせて、軍事会議を開かねば」

「また戦のことばかり…」



ネイファがため息をつくと、クロノスはギロリと鋭い目で睨んだ。



「で、貴様は俺好みの女をちゃんと選べたのだろうな?」

「ええ!もちろんです!腕に寄りをかけ!」



キラキラと目を輝かせながら、ネイファは言った。



「俺は貴様に好みなど今まで告げたことは一度もないが…」

「はい!全て勘ですが!」

「…」

「クロノス様に相応しいであろう姫君をお選び致しました」

「ふん。期待しないがな」


不機嫌そうにクロノスはワインを頬張った。



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