双子の異世界・金色のはなびら
エレノアの不安そうな顔を見て、思わずゼノは吹き出しそうになっていた。

「ぷくく・・・姫様、顔真っ青だったり真っ赤になったり、落ち着きがないですねえ」

「ゼノォーーーーーー!」

もはや半泣き状態だ。

「だって、何をしたら良いのかわからないんだもん・・・」

「だもん・・・じゃないですよ。一介の姫なんですから、今まで何か習ってきたでしょ?歌とか踊りとか」

「自信ないよそんなの」

「そりゃ、他の姫も同じようにやってるとは思いますけど、やるしかないでしょ」

「う、うん・・・」

「それに、これに失敗したら還る場所なんてないんですから。頑張ってくださいね」


その言葉が一番重かった。


_そう・・・私には帰る場所がない。そうなんだ・・・


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