双子の異世界・金色のはなびら
「一人一人ネイファが連れて行くのか。なかなか気がきく側近だな」


エレノアの隣に座っていた黒髪の姫が言った。


「他の姫達も緊張がほぐれたみたいだな」


そう言いながら隣にいるエレノアを見るとぎょっとした。


「そなた・・・大丈夫か？顔色が優れないようだが」


「あ、大丈夫です」


エレノアの緊張がほぐれることはなかった。

がちがちに固まっている。

「大丈夫には見えないな・・。これを飲めばいい」


黒髪の姫は廻ってきた侍女から飲み物の入ったグラスを取りエレノアに渡した。


「ありがとうございます・・・ん！美味しい！」


急に元気になったので、思わず笑ってしまった。


「フフ・・・面白い姫だなそなた。確か・・・ユミールのエレノア姫か？」

「あ、はい！エレノアです。あ、あなたは・・・」

「ミネアのリリンだ。よろしくな」



リリンはニコっと一瞬笑うと、皇帝の方を見つめた。


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