双子の異世界・金色のはなびら
「リリンさんは皇帝の側室になること、どう思っているんですか?」

唐突にエレノアは聞いた。


「・・・どうって・・・国が決めたことだ。何も抵抗できまいな」

「リリンさんも・・・?」

「も・・・?だと?」


リリンの眉間にしわが寄った。


「あ、なんでもないです」


_ま、まずいことを聞いちゃったかもしれない・・・。やっちゃった。



「ま、人それぞれ思うこともある。私達、王族の姫はこうなる定めなのだ。自分の人生など有りはしない。誰かが決めた道に従うのみ」

「リリンさん・・・」

「だから強くならないとな。姫だからといって流されるままだったり、諦めたりしてはいけない。
側室になったら今後どうしたいとか、前向きに考えたほうがいいだろう」

「素敵です!」

「は?」

「アナタはちゃんと考えてるなと思って・・・私なんて、幸せだった国に帰りたいとしか思ってなくて・・・なのに諦めてここにいるし・・・気持ちも中途半端で」


リリンの顔が急に暗くなった。


「帰りたい場所があるなんて羨ましいことだな。・・・悪いが席を外す。もし呼ばれたら、そなたが先に行って欲しい」


「え?あ、はい」


そう言って立ち上がると、リリンは足早に外へ出て行った。

< 36 / 49 >

この作品をシェア

pagetop