双子の異世界・金色のはなびら
「あ、猫ちゃん?」

ルゥはエレノアを見つけると顔をスリスリと膝に擦りよせた。

「あ、目が開いてる・・・・うそ・・・」

エレノアはまん丸な目でルゥの閉じていた方の目を凝視した。

「ニャー」

「うわああ!治ったの?でも急にどうして!?信じられない」

「ゴロゴロゴロ・・」

ルゥも機嫌よく鳴いては懐いた。


「おお・・・神よ」


近くでそれを見たネイファが呟いた。

目から涙がつーっと零れた。


「貴女はユミール王国のエレノア王女ですね!!」

「あ、はい。エレノアです」

「これは天の助け、まさに私の命の恩人です」

「へ?なんのことですか?」

「どうぞこちらへ!クロノス様のもとへ!」


ネイファはすばやくエレノアを立ち上がらせ、抱っこしているルゥもろとも連れ出した。


「え?あ、まだ心の準備が!ゼノ~!」


遠くでゼノはひらひらと手を振った。


「へえ・・姫様やるな」


ぼそっと呟いたゼノだった。



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