双子の異世界・金色のはなびら
少し薄暗くなった天幕の中で、エレノアはガチガチに緊張していた。

遠くから大臣達の笑い声や可憐なメロディがうっすらと聞こえている。

自分の心臓の音が耳まで伝わるようだった。

ルゥも緊張が移ったのか、すぐにクロノスの膝に乗った。


「・・・おい」

「は、はい」

「何か言いたい事があるんじゃないか?」

「あ、は、はい」


パニックだ。


_えっとーえっとーこの天幕の中で歌を歌うなんて出来ないし、ダンスも出来ないし、
何話せばいいのか全然わからない!!!あああああどうしようっ


「えっと・・・」

ついに俯いて黙ってしまった。


_どうしよう・・・どうしよう!何にもしてないのに嫌われちゃう・・・駄目王女すぎるわ私・・・


「ニャー・・」


ルゥが心配そうな声で鳴いた。それにエレノアは気が付いた。


「あ、目が!」
「目が・・・」




二人の言葉が重なった。



ドキン・・・





ようやく二人の目が合った。


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