双子の異世界・金色のはなびら
ドルーア帝国に着いたのは次の日の朝だった。


「うう、完全に疲労で寝てしまった」


馬車の窓から外を見ると、城下町の大通りだった。

緩やかな坂道を馬車が走る。

ドルーアの城は小高い山に佇んでいた。


「うわっー凄く大きい」


自分の育った城もそれなりに大きいと思っていたが、ドルーア城はそれ以上の規模だった。


城の敷地に入るのに、いくつの門をくぐっただろう。


どんどん城に近づく度に、どんどんエレノアの鼓動が早くなる。

そして顔がこわばってきた。


_覚悟を決めるのよ!わたし!がんばれっ!わたし!


何回も同じことを頭の中で呟き、自分に言い聞かせた。



ヒヒーン


馬の鳴き声が聞こえ、馬車が止まる。


「姫、失礼致します」


馬を操っていた御者の一人が扉を開いた。

「お手をどうぞ」


「えっ?」


そしてエレノアは外に出てすぐさま驚いた。

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