悪役令嬢はお断りします!~二度目の人生なので、好きにさせてもらいます~
夏休みも残り数日となった頃。
メイドカフェはたくさんのお客さんによって千客万来。
テーブル席も満席の上、最近作ったテラス席も満席状態だ。
そのため、私たちは慌ただしくホールと厨房を往復している。
なぜこんなにもカフェが大人気なのかというと、夏季限定メニュー『かき氷』がその理由。
「氷を削って食べるって発想なかったけれど、おいしいわよね」
「やっぱり暑い時はかき氷ね。初めて食べた時からもう夢中だわ」
「このかき氷のためにミニム王国に来てよかったって思うよなぁ」
「俺もそう思う。仕事でミニム港へ到着するたびに通っている」
店内にいるお客さんが食べているのは、ほとんどがかき氷。
夏季限定でかき氷を提供しているんだけれど、それが爆発的にヒットした。
アイスと違ってさっぱりと後に残らない甘みと比較的簡単に食べられることが重なったのが人気の理由みたい。
アイスはこの世界にもある。
でも、一部の上流貴族や王族しか食べることができない高級品。
かき氷ならいつものようにメイドカフェで注文すれば食べられるから、ハードルが低くて簡単なのだ。
──来年からカフェタイムはかき氷専用に切り替えた方がいいかも。ほとんどかき氷を注文しているし。こんなに売れるなんて思ってもみなかったわ。
私は、かき氷をお客さんのテーブルへと配膳しながら、もうすでに来年のことを考えていた。
すると、ガランガランと涼しげな音色が入り口から聞こえてきた。
顔を向けると、すぐ近くにある香辛料商会の従業員たちがふたり立っていた。
ひとりは白髪交じりの前髪をなでつけた六十代の男性。そして、もうひとりは短く髪を切りそろえている四十代くらいの男性だ。
ふたりはハンカチで汗を拭きながら、「いやー、大繁盛だね」と微笑んでいる。
メイドカフェはたくさんのお客さんによって千客万来。
テーブル席も満席の上、最近作ったテラス席も満席状態だ。
そのため、私たちは慌ただしくホールと厨房を往復している。
なぜこんなにもカフェが大人気なのかというと、夏季限定メニュー『かき氷』がその理由。
「氷を削って食べるって発想なかったけれど、おいしいわよね」
「やっぱり暑い時はかき氷ね。初めて食べた時からもう夢中だわ」
「このかき氷のためにミニム王国に来てよかったって思うよなぁ」
「俺もそう思う。仕事でミニム港へ到着するたびに通っている」
店内にいるお客さんが食べているのは、ほとんどがかき氷。
夏季限定でかき氷を提供しているんだけれど、それが爆発的にヒットした。
アイスと違ってさっぱりと後に残らない甘みと比較的簡単に食べられることが重なったのが人気の理由みたい。
アイスはこの世界にもある。
でも、一部の上流貴族や王族しか食べることができない高級品。
かき氷ならいつものようにメイドカフェで注文すれば食べられるから、ハードルが低くて簡単なのだ。
──来年からカフェタイムはかき氷専用に切り替えた方がいいかも。ほとんどかき氷を注文しているし。こんなに売れるなんて思ってもみなかったわ。
私は、かき氷をお客さんのテーブルへと配膳しながら、もうすでに来年のことを考えていた。
すると、ガランガランと涼しげな音色が入り口から聞こえてきた。
顔を向けると、すぐ近くにある香辛料商会の従業員たちがふたり立っていた。
ひとりは白髪交じりの前髪をなでつけた六十代の男性。そして、もうひとりは短く髪を切りそろえている四十代くらいの男性だ。
ふたりはハンカチで汗を拭きながら、「いやー、大繁盛だね」と微笑んでいる。