悪役令嬢はお断りします!~二度目の人生なので、好きにさせてもらいます~
入学から二週間が経過。私は学園生活にも慣れ、平穏な日々を送っていた。
アイザックが一緒にいてくれるので、エクレールの方から近づいてくることはない。
ヒロインのマイカともあまり関わりがなく、今のところフラグが発生する気配がない。
このまま順調にいけば、四年後に無事卒業できるはずだ。
でも、ちょっと心に引っかかっていることがあるのよね……。
午前中の授業が終わり、生徒たちが食堂に集まって、友人たちと食事をしながらおしゃべりにいそしんでいる。
私もアイザックと共にお昼ご飯を食べながら、なんとなく気になって、テラス席へと視線を向けた。
そこには大輪のバラのように華やかな少女が座っている。
大きなミルクティー色の瞳が印象的だ。
銀を溶かしたような腰まで長い髪はまとめてバレッタでとめ、そのまま背に流している。食事はすでに終えているらしく、本を読んでいた。
彼女の名はルイーザ・ハーゼ。ハーゼ公爵令嬢だ。
ゲームの攻略対象者であるエオニオ王太子殿下の婚約者で、悪役令嬢のひとりだ。
「ねぇ、アイザック。どうしてエオニオ王太子殿下は入学してこないのかしら? 婚約者であるルイーザ様は入学しているのに」
私はスプーンでスープをすくいながら、テーブル越しに座っているアイザックに尋ねた。
彼はもうすでに昼食を終え、食後のコーヒーを飲んでいる。
ゲーム本編ではエオニオ王太子殿下も入学しているはずなのに、現実には入学していないことが、ずっと気になっていた。
どうしてゲームと違うのだろうか。私の知っているシナリオどおりにはいかないのかな?
「とくに不思議がることはないと思うよ。毎日学校に通うと執務に支障が出るから、家庭教師に任せている国だってある」
「そうなんだけれど……」
「シルフィはエオニオ王太子殿下に会いたいの?」
アイザックが少し不安げに尋ねてきたため、私は慌てて首を振る。
エオニオ王太子殿下とは夜会で何度かお話をしたこともあるけれど、とくに親しいというわけではない。
「シルフィはどんな男がタイプなんだ?」
「好きなタイプかぁ……んー」
とくに今まで考えたこともなかった。
しいていうなら、その時に好きになった人がタイプということになるかも。
アイザックが一緒にいてくれるので、エクレールの方から近づいてくることはない。
ヒロインのマイカともあまり関わりがなく、今のところフラグが発生する気配がない。
このまま順調にいけば、四年後に無事卒業できるはずだ。
でも、ちょっと心に引っかかっていることがあるのよね……。
午前中の授業が終わり、生徒たちが食堂に集まって、友人たちと食事をしながらおしゃべりにいそしんでいる。
私もアイザックと共にお昼ご飯を食べながら、なんとなく気になって、テラス席へと視線を向けた。
そこには大輪のバラのように華やかな少女が座っている。
大きなミルクティー色の瞳が印象的だ。
銀を溶かしたような腰まで長い髪はまとめてバレッタでとめ、そのまま背に流している。食事はすでに終えているらしく、本を読んでいた。
彼女の名はルイーザ・ハーゼ。ハーゼ公爵令嬢だ。
ゲームの攻略対象者であるエオニオ王太子殿下の婚約者で、悪役令嬢のひとりだ。
「ねぇ、アイザック。どうしてエオニオ王太子殿下は入学してこないのかしら? 婚約者であるルイーザ様は入学しているのに」
私はスプーンでスープをすくいながら、テーブル越しに座っているアイザックに尋ねた。
彼はもうすでに昼食を終え、食後のコーヒーを飲んでいる。
ゲーム本編ではエオニオ王太子殿下も入学しているはずなのに、現実には入学していないことが、ずっと気になっていた。
どうしてゲームと違うのだろうか。私の知っているシナリオどおりにはいかないのかな?
「とくに不思議がることはないと思うよ。毎日学校に通うと執務に支障が出るから、家庭教師に任せている国だってある」
「そうなんだけれど……」
「シルフィはエオニオ王太子殿下に会いたいの?」
アイザックが少し不安げに尋ねてきたため、私は慌てて首を振る。
エオニオ王太子殿下とは夜会で何度かお話をしたこともあるけれど、とくに親しいというわけではない。
「シルフィはどんな男がタイプなんだ?」
「好きなタイプかぁ……んー」
とくに今まで考えたこともなかった。
しいていうなら、その時に好きになった人がタイプということになるかも。