悪役令嬢はお断りします!~二度目の人生なので、好きにさせてもらいます~
(エクレール視点)
私、エクレール・ラバーチェは、屋敷のサロンにて優雅なお茶の時間を楽しんでいた。
サロンからは、我がラバーチェ伯爵邸自慢の歴代当主が愛した庭園が望める。
鼻孔をくすぐる紅茶の深い香りが心身共にリラックスさせてくれる。
そんな中、突然乱暴にサロンの扉が開いた。
「──実に目障りだ。あの一族め!」
大きな怒鳴り声が響き渡ったかと思うと、こちらにやって来たお父様がテーブル越しにどさっという音を立てたので、私は思わず眉をひそめた。
腕を組み、貧乏揺すりのように右足のかかとで床を何度も蹴るような仕草をしている。
私はお父様が不機嫌になっている理由がわかるため、さして気にすることもなく、お茶とお菓子を堪能する。
議会に参加していたから、苦虫を噛みつぶしたような顔をしているのだろう。
議会や夜会に赴くたびに、お父様の機嫌が悪くなるのには慣れている。
理由は至極簡単。
グロース侯爵及び、グロース一族が原因だ。
グロース一家は、私たちラバーチェ家に代わって三代前から四大侯爵になった。
四大侯爵は、国王陛下の右腕として働くことで名声を得ている。
所持する権利の数も権力の強さも、貴族と比べて群を抜いている。
四大侯爵しか立ち入ることができない場所があったり、議会でも陛下のそばに席があったりと、特別扱いされる地位にあるのだ。
もともとは私たち一族の地位と権利だというのに、我がもの顔で権利を使っているなんて。
私、エクレール・ラバーチェは、屋敷のサロンにて優雅なお茶の時間を楽しんでいた。
サロンからは、我がラバーチェ伯爵邸自慢の歴代当主が愛した庭園が望める。
鼻孔をくすぐる紅茶の深い香りが心身共にリラックスさせてくれる。
そんな中、突然乱暴にサロンの扉が開いた。
「──実に目障りだ。あの一族め!」
大きな怒鳴り声が響き渡ったかと思うと、こちらにやって来たお父様がテーブル越しにどさっという音を立てたので、私は思わず眉をひそめた。
腕を組み、貧乏揺すりのように右足のかかとで床を何度も蹴るような仕草をしている。
私はお父様が不機嫌になっている理由がわかるため、さして気にすることもなく、お茶とお菓子を堪能する。
議会に参加していたから、苦虫を噛みつぶしたような顔をしているのだろう。
議会や夜会に赴くたびに、お父様の機嫌が悪くなるのには慣れている。
理由は至極簡単。
グロース侯爵及び、グロース一族が原因だ。
グロース一家は、私たちラバーチェ家に代わって三代前から四大侯爵になった。
四大侯爵は、国王陛下の右腕として働くことで名声を得ている。
所持する権利の数も権力の強さも、貴族と比べて群を抜いている。
四大侯爵しか立ち入ることができない場所があったり、議会でも陛下のそばに席があったりと、特別扱いされる地位にあるのだ。
もともとは私たち一族の地位と権利だというのに、我がもの顔で権利を使っているなんて。