悪役令嬢はお断りします!~二度目の人生なので、好きにさせてもらいます~
第九章 どうして悪役令嬢の私が襲撃されるの?
月日が経つのは早いもので、冷たい飲み物がおいしい季節を迎えた。
私とマイヤーヌの関係も変わり、仲が深まった。
学園内やメイドカフェでも気さくに話をするようになり、今ではお互いを呼び捨てする仲だ。
本日、ここメイドカフェでは模様替え中だ。
ミニム王国の夏は、日本のように湿気の多い暑さではなく、からっとしたもの。
とはいえ、暑いものは暑い。
クーラーがない部屋の中、私たちは見た目だけでも涼しくなるように考えた。
ソファ席を籐製のソファに切り替えたり、クッションカバーをマリン風にしたり試行錯誤している。
ルイーザとマイヤーヌと相談して決めたんだけれど、なんでだろう? リゾート風になっているのは否めない。
ヤシの木があったら似合いそう。
貴族の部屋ではなく、リゾートホテルの一角って雰囲気だ。
モチーフが貴族の部屋なんだけれどなぁ……。
もちろん、変わったのは店内だけじゃなく、私たちが着用しているメイド服も夏バージョンに衣替えした。
ブラウスをデコルテ部分がざっくり開いたキャップスリーブタイプに変更し、爽やかなレモンイエローと白のストライプ柄のジャンパースカートとの組み合わせにしている。
「模様替え終わったー! でも、暑いことには変わりないわ。あー、クーラー欲しい。ねぇ、海行きたくない? 泳ぎたくない?」
さっきクッションカバーを交換したばかりのソファに座りながら、ルイーザはスカートの中に空気を送り込むように両手で持ち、バサバサと扇いでいる。
気持ちはわかる。やりたくなるよね……でも、たぶん疲れて余計暑くなるよ。
そんなことを思いながら、私が苦笑いを浮かべていると案の定バテ始めたのか、ルイーザがそのままソファへと倒れるように横になってしまう。
「もう嫌。夏ってほんと嫌い。食事も取りたくなくなるのよね」
「意外ですわ。いつでもどんな時でも生命力ありそうなのに」
「私だって苦手なものくらいあるわよ。あー、ビール飲みたい。焼き鳥食べたい。枝豆食べたい。冷や奴が食べたい」
「焼き鳥? ビール?」
マイヤーヌが小鳥のように首をかしげる。
私とマイヤーヌの関係も変わり、仲が深まった。
学園内やメイドカフェでも気さくに話をするようになり、今ではお互いを呼び捨てする仲だ。
本日、ここメイドカフェでは模様替え中だ。
ミニム王国の夏は、日本のように湿気の多い暑さではなく、からっとしたもの。
とはいえ、暑いものは暑い。
クーラーがない部屋の中、私たちは見た目だけでも涼しくなるように考えた。
ソファ席を籐製のソファに切り替えたり、クッションカバーをマリン風にしたり試行錯誤している。
ルイーザとマイヤーヌと相談して決めたんだけれど、なんでだろう? リゾート風になっているのは否めない。
ヤシの木があったら似合いそう。
貴族の部屋ではなく、リゾートホテルの一角って雰囲気だ。
モチーフが貴族の部屋なんだけれどなぁ……。
もちろん、変わったのは店内だけじゃなく、私たちが着用しているメイド服も夏バージョンに衣替えした。
ブラウスをデコルテ部分がざっくり開いたキャップスリーブタイプに変更し、爽やかなレモンイエローと白のストライプ柄のジャンパースカートとの組み合わせにしている。
「模様替え終わったー! でも、暑いことには変わりないわ。あー、クーラー欲しい。ねぇ、海行きたくない? 泳ぎたくない?」
さっきクッションカバーを交換したばかりのソファに座りながら、ルイーザはスカートの中に空気を送り込むように両手で持ち、バサバサと扇いでいる。
気持ちはわかる。やりたくなるよね……でも、たぶん疲れて余計暑くなるよ。
そんなことを思いながら、私が苦笑いを浮かべていると案の定バテ始めたのか、ルイーザがそのままソファへと倒れるように横になってしまう。
「もう嫌。夏ってほんと嫌い。食事も取りたくなくなるのよね」
「意外ですわ。いつでもどんな時でも生命力ありそうなのに」
「私だって苦手なものくらいあるわよ。あー、ビール飲みたい。焼き鳥食べたい。枝豆食べたい。冷や奴が食べたい」
「焼き鳥? ビール?」
マイヤーヌが小鳥のように首をかしげる。