その手をぎゅっと掴めたら。
「私には2人の出逢いは運命に思えるの」
「運命ですか?」
真剣に生徒会長が言うものだから、否定の言葉を口にできない。
いやでも、私たちのどこに運命的な出逢いが合った?罰ゲームから始まる恋だよ?
真っ直ぐな生徒会長の瞳。
からかわれているようには思えないし、そんな空気ではなかった。
「いつかそれに気付いた時、あなたは傷つくかもしれない。…それだけは、覚悟しておいてね。…でもね、私はあなたの味方だから」
生徒会長が私を敵視していないことは分かったし、味方で居てくれることは心強い。
でも話が全然見えないのですが!?
私が傷つくとは、何に対して?
そう聞き返そうとした時、部活終わりの生徒たちが廊下を走る騒がしい音がした。
「また話しましょう」
「あ、はい」
生徒会長が立ち去った教室にはローズの香りと、疑問だけが残った。